2006年05月26日
text by ライター雨宮まみ
「「見ているだけで、幸せなんだ」」
★今日のDVD……「豊田道倫 映像集2」(発売中・ハマジムレコーズ)
通販はこちらから http://www.hamajim.com/ (enter後、画面下方の「BUY」を押してください)
豊田道倫公式サイト
http://www003.upp.so-net.ne.jp/sexy/
6/10、渋谷でハマジム主催、豊田道倫出演のライブイベントもあります。
http://www.hamajimrecords.com/
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「エロ本はもう終わる。完全になくなりはしなくても、あと数年以
内に潰滅的なほどに部数が減って、仕事はなくなる」。そう言われ
始めたのは昨年あたりからだったか。先輩のライターとそのことに
ついて、絶望的すぎて議論にならない話し合いを三時間やった翌々
日、人生で二度目の血尿が出た。
ライターになりたての頃は、文章がうまくなることだけ考えてい
た。うまくなれば仕事がある。うまくなれば明るい未来がある。そ
う思えた。そこから三年経ち、四年経ち、自分の何倍も上手いライ
ターがどんどん食えなくなっていく現実があった。昔は「ライター
になるなら、自分にしか書けない得意な分野を持て」と、よく言わ
れたものだったが、誰も追い付けないような得意分野をもっている
人でさえそれに関する仕事は少なく、有名な人であればあるほど名
前が邪魔になり、無名でなんでも書ける器用なライターの方がずっ
と稼げるという、そういう実状が見えてきた。
この世界では、有名になればなるほど、実は稼げなくなる。名前
を出して原稿を書いているより、無記名の原稿をつぎつぎと受けた
ほうがずっとお金になるからだ。もっともっと有名になれば? 単
行本が出るほど有名になったとしても、今は家が達つほどの印税な
んか、とてもじゃないけど見込めない。そこそこ売れたとしても、
たったのひと月、ふた月、やりすごすことのできる金額にしかなら
ないだろう。雑誌は売れない。でも単行本も売れない。
私は、文章を書くことが好きだから、文章がうまくなれば、いつ
か、思いきり好きなことが書けるようになるだろうということが希
望だった。そうなれば全てがうまくいくと思っていた。うまくなっ
てもどうしようもない、という未来なんて、想像もしていなかった
のだ。
個性なんか、いらない。「書きたいこと」なんか、いらない。そ
んなもの、必要とされたことはこの仕事を5年やって、ほんの数回
だ。ふと、自分の顔が歪んで見える。誰からも必要とされていない
ものを意固地になって一生懸命作ろうとしている、ぶざまな顔が見
える。いらないごみのようなものを、一人で大事に抱え込んでいる
間抜けな後ろ姿が見える。絶望の材料は今までだって十分あったの
に、生きているのがおもしろくてそのことに全然気づかなかった。
「豊田道倫の歌は、貧乏臭いからきらいだ」。そう言われたこと
があった。いいたいことはわかるようで、実は全然わからない。貧
乏なことと、貧乏臭いことはちがうからだ。私は豊田さんのことを、
貧乏臭いと思ったことがない。豊田さんの肉体は、セクシーだ。半
袖を着ると意外に腕が太くて、肩の線がやさしく柔らかい。豊田さ
んはときどき気分で、歌うときにスーツを着る。あたらしいスニー
カーを履く。たぶんにせものの、シャネルのサングラスをかける。
その日の気分をよそおう。贅沢なことだ。豊田さんほど、自由によ
そおうことのできる人を、私はほかに知らない。
「豊田道倫 映像集2」には、2000年から2005年にかけてカン
パニー松尾が撮影した、豊田さんのライブの映像が収められている。
豊田さんが歌うと「仕事」という言葉が違って聞こえる、宇多田ヒ
カルの「traveling」。川本真琴が、聴いているだけで恥ずかしく
なるほどあまく、小さなかわいいいきもののふるえるようなあの感
じの声で歌う「友達のように」。上品なルックスに鈴をころがすよ
うな声で「『一回だけ寝たあの子』というフレーズがありますが、
一回だけ寝たあの子、っていうのは、どのくらいいるんですか?」
とものすごい質問を投げる大宮杜喜子アナウンサーのトークが入っ
たラジオたんぱでのライブ(大宮アナのトークは「実況の夜」とい
うCDでも聴けます)。「ルイ・ヴィトン」「アルバ」といった、
タイトルだけでもうしびれかけてしまう曲。そういうものが、日本
のどこかで奏でられた瞬間の映像が入っている。
途中で「音楽もセックスも日常にあるものだという点では同じだ」
から、「だから僕は豊田くんをハメ撮りする」というテロップが入
る。本当に、この映像はAVみたいだ。なまなましくて、猥褻で。
ライナーノーツに「僕は豊田君の音楽と向き合うとき、いつもひと
りだ」と書いてあるが、私は、カンパニー松尾のAVも、夜中にひ
とりで観るものだと思う。劇場公開されないことを誇るべき種類の、
たったひとりで観るべき映像だと思う。実際私はそのようにしてカ
ンパニー松尾のAVを観てきたし、この「映像集」も、そうして観
た。
豊田道倫を見つめる、カンパニー松尾の映像は、それを「見て」
いることが幸せでたまらないという感情でにじんでいる。フジテレ
ビの歌番組の収録中にカメラを回し、モニターに映っている映像ま
で残らずきれいに舐めるように撮り、たまにふっと、その空間を味
わうように観客や、周りにあるいろんなものをちらりと見て、また
歌う豊田さんの顔を見る。名古屋に、京都に、大阪に、豊田道倫を
追いかけていくカンパニー松尾の映像には、東京から遠い場所で豊
田さんの歌が聴ける、その旅のときめきがにじむようだ。雨に都会
の薄っぺらなネオンがにじむように、カンパニー松尾の映像には、
豊田道倫の歌を聴くときの、からだから感情がじわっと染み出るあ
の感じが、ふんだんに湿り気を含んだままに映りこんでいる。
天才である豊田道倫も、同じく天才であるカンパニー松尾も、こ
こ数年、いやもっとずっと、そんな、才能に見合うほどのいい目に
なんて遭っちゃいない。音楽業界の現状がどうだか知らないが、A
Vの世界も楽じゃない。どんなものでも作っていい自由な世界は商
業主義の業界から締め出され、孤立どころか絶滅寸前だ。この先、
楽しい見通しなんて、まるでない。じゃあ、何かを作ることを、や
めるのか。やりたいことをやることは「何にもならない」ことなの
か。
たとえそうだとしても、私は全力を振り絞る豊田道倫を、滴る才
能を一滴残らず絞り切るカンパニー松尾を、見たい。
希望なんかなくたって生きていける。輝きを見ているだけで、幸
せなんだ。こういう瞬間が、あれば。光さえ、あれば。それだけで
生きる疲れなんか一瞬で忘れ去ることができる。恋人にさえ、家族
にさえ、打ち明けられないほどの絶望を抱え込む夜の暗さを、この
映像はあたたかく溶かす。ああ、もう、このままおしっこが真っ赤
になって死ぬぐらいなら、好きなことだけやって死んでやる。金に
なんなかろうが、知るか。暗い未来の話はやめて、ほんの少しの圧
倒的な現在を、見よう。2006年5月。たとえ明日が寒い雨の日でも、
明日は、買ったばかりの真っ白なタンクトップを着よう。好きな場
所へ行こう。42階の紅茶の店へ、代官山の下着の店へ、ハイアット
のプールへ、新宿の、小さなライブハウスへ。そうやって、この退
屈な世界から逃げ出そう。

雨宮まみさんのHP 「No! No! No!」 より転載
雨宮まみさんのHP [No! No! No!」
http://www.fastwave.gr.jp/diarysrv/addict/
2006年05月25日
text by ロック画報23
「豊田道倫 映像集Ⅱ」
豊田の名を初めて知ったのは、彼が作詞作曲を手がけた、
映画『夢なら醒めて・・・』(サトウトシキ監督)の同名主題歌だ。
妖しくも哀れな歌詞と陰気なメロディー。気が滅入り、そして忘れられなくなった。
01~05年にかけてのライブが記録されたこのDVDでは、同曲がセクシーな弾き語り
で自演され、強いインパクトを放っている。
“豊田道倫をハメ撮りする”との文字通り、ライブの多くはハンディカメラで捉えられ、
行間は誌的なテロップで埋められる。すなわちカンパニー松尾監督作品ということ。
PV集では松江哲明「グッバイ・メロディ」が出色。
(膳場岳人)
ご注文はこちらから
http://www.hamajim.com/lineup/music/index.html
HMJM RECORDS HP
http://www.hamajimrecords.com/
ロック画報23より転載
株式会社 ブルース・インターアクションズ HP
http://www.bls-act.co.jp/
2006年05月22日
text by ライター雨宮まみ
「至る所にある「エロの壁」。たたっ壊せ!と言いたいわけじゃなくて・・・・・・の巻 増刊|雨宮まみ・・・・連載第7回」
こないだ合コンめいた飲み会に行ったら、女2対男5にもかかわらず、全くもってモテなかった。私が30台まであとひと足の年齢であることや、初対面の人間が裸足で逃げ出すコワモテであることなど色々と自省すべき点はあるのだが、実は原因はそれだけではなかった。私の職業が「エロ本のライター」であることが、この場の面々には事前に知れ渡っていたのである。集まった人たちは、いわゆる「普通の」サラリーマンで
あった。
前にも「普通の」サラリーマンの人たちと飲んだことがあったがその時は「女でこ
ういうのやってて困ることない?」「彼氏は知ってるの?」「AVって、見てエロいっ
て思う?」などなど素直にいろいろ聞いてくれ、私も普通にしていられた。けれど今
回は何か空気が違う。誰も私の仕事について触れようともしないし、それ以外のこと
もあまり聞こうとしない。いわゆるドン引き状態である。私はこないだバラエティ番
組に出ていた及川奈央のことを思い出した。及川は他の出演者(お笑い芸人やさとう
珠緒など)から、年下にもかかわらず「及川さん」呼ばわりされていた。年下なのに
さん付け。近年まれに見る「腫れ物」扱いである。私はあの時の及川奈央の気持ちが
わかる気がしてきた。たとえこの場にいたのが私ではなく、若くて美人の及川奈央だっ
たらどうか。盛り上がっていただろうか。私には、そうは思えない。さん付けとは言
わないまでも「誰が口火を切るんだ?」的な目くばせが横行するか、もしくは「AV
女優なんだからきっとスケベでテクもいいんだろう」的な下心を持つ男に色目を使わ
れるか、どっちかであろう。まぁ色目を使われたら合コンは勝ちなんだろうけど。
一月ほど前に、ハマジムというビデオメーカーのことをネット上で書いた。http://www.fastwave.gr.jp/diarysrv/addict/200502b.html#20050213
ハマジムというメーカーは、いわゆる一般的なAVとは少し違う感触のAVを出しているメー
カーである。全国の、自らAVに出たいと志願してきた素人女を撮りに全国をハメ撮
り行脚するシリーズや、在日韓国人・中国人のAV女優と男優がセックスしたり自分
の出自を語ったりする作品や、UFOが現れるという町・羽咋市にAV女優を連れて
いき、セックスしながらUFOの出現を待つ作品や、巨乳女優が乳をバッフンバッフ
ン揺らしながらアテネオリンピックのフルマラソンを走り、なおかつセックスすると
いう作品など、こうやってあらすじだけを書いてもなかなかうまく良さが伝えられな
い作品が多い。私自身は、特に一番頭に書いた全国素人娘ハメ撮りシリーズの
「Auction02」という作品はエロさもその他の部分の内容の良さも含めて昨年最も
感動し、なおかつ興奮した作品なのだが、それをAV誌で書くことに大きな違和感を
感じていた。
エロいし、抜き目的で買った人にも十分楽しんでもらえる作品だと言う自信はあっ
た。これだけエロいんですよ、ということを書いて、アピールするのがエロ本の手法
としては、正しい。ただこの作品の本当の良さは、エロだけではないのである。しか
もその良さが、エロから離れていない。いわゆる「抜けないけれど面白い」という作
品とは違うのだ。エロでしか成立し得ない作品で、AVだからこそ生まれた作品で、
ちゃんとエロの部分を大切に撮ってあって、なおかつ心が揺さぶられる。こう言ったっ
て多くの人は意味がわからないだろう。AVで「感動した」って言われても、それっ
て何? って思うだろう。当たり前のことだが、感動するためにAVを買ってる人は
少ない。「エロ以外の部分もいいんだ」と熱く語られたって、「エロ以外の部分なん
かいらねえからカラミを多く入れろよ」と言われるのが関の山ってものだろう。
ハマジムの作品は、セックスを含めた人間を撮るセックスドキュメンタリーである。
AVを普段見ない人でも、きっと面白いと思える作品だろう。それを「AV」として
しか紹介できない、抜きを一番に求めている人に紹介するしかない、というのは、あ
る意味矛盾である。抜ける要素以外のものはいらない、と思っている人にはよけいな
ことかもしれないし、普段AV見ないけど面白いものがあるなら見たい、という人に
は、AV誌に書いてある情報は伝わらない。「もう、ハマジム、AVじゃなくていい
じゃないか」という意見も多い。AVであるということが足枷になり、伝わるべきと
ころに伝わらないんじゃないか、という意味である。
ハマジムのAVが、AVかどうかなんて私はどうだっていい。AVじゃないって言
えば売れるんなら、多くの人が見るのなら、別にそれでいい。だけど、これは、AV
じゃなきゃ生まれなかったものだ。AVは自由で、何でもできるし、セックスをその
まんま撮れる唯一のメディアで、だからこそできた作品なのだ。
AVなんて自分には関係ないと思ってる人、AVを見ていても、AV女優とは絶対
つきあえないと思っている人、AVを見ているような女が合コン来たら最悪だと思っ
ている人、抜きやすいAV以外作るなよと思ってる人、AV監督なんてセックスのこ
としか考えてないと思ってる人、自分は普通だから、AVの世界なんて無関係だと思っ
ている人。そういう人のことを、私は否定しない。これからもドン引きして私のこと
を、避けてくれ。面と向かって非難してくれても、親が泣くとか言ってくれても、か
まわない。そういう壁は、あっていいのだ。AVなんてくだらないと思い、AVなん
て自分には関係ないと思っている人間を振り向かせるAVを作るべきだし、そういう
人間にAVを見せてしまうような文章を、書くべきだと思う。そのことの答えが「A
Vという呼称をやめる」ということなら、それでもかまわない。私は、ハマジムはそ
のリスクも想定した上で自らAVの看板を掲げ、AVの壁を壊そうとしたのだと思う。
私も、エロライターと名乗ったままでモテたい。エロライターのままでマンション、
買いたい。その日を夢見て、壁に体当たりをし続けたいと思う。
「増刊 綾乃梓」DMM6月号増刊 より転載。 出版元・(株)GOT

2006年05月19日
text by 東京スポーツ 2004年10月2日号
「AV史上初!! 撮影中にUFO撮った 」
AV史上初だ! 何と撮影中のカメラがUFOをとらえた。
このAVのタイトルはズバリ「未確認淫行映像 UFO」(ハマジム=11月25日発売)。(注1)
UFOが写ったのは新人AV女優・うるるまみ(18)がアイドルになりきって歌い踊るシーンで、
彼女とからんだ男優たちには不思議なことが起こっていた。
新人女優の後ろに黒い円盤が・・・
うるるが歌い踊るシーンをご覧あれ。
画面の左端から黒い円盤状の物体が現れ、超高速で右へ移動。
出現当初はスペースシャトル型のように見えるが、うるるの頭上
を越えたあたりから、物体は変形。小さくなりながら高速移動し、
有名な円盤の形状であるアダムスキー型になった。そして、
突如消失したのだ。
メガホンをとった堀内ヒロシ監督は「エロビデオの中にUFO
映像を残そうと考え、“UFOの町”石川県羽咋市(はくいし)
で5日間ロケしました。UFOを撮るため、絶壁などでの野外
ハメ撮りを繰り返しました。あきらめかけていた最後の5日目で
撮れた映像で、本当のUFOだと思います。AV史上初のSF
エロファンタジーですよ」と語る。
羽咋市は平安時代から、空からなべが降りてきて子供が
さらられた「なべふりの伝承」などUFO伝説が多々ある。
また、日本で一番UFOの目撃談が多い。
その地でUFOを撮影すべく、女優選びは慎重に行われた。
「セックスでUFOを呼ぶため、宇宙人のような不思議な女優を
起用しました。うるるはAVアイドル志望だったので、『UFOが
撮れたら話題になって、アイドルになれるぞ!』と口説き落と
したんです」と堀内監督。
共演の男優にも不思議な現象続出
そして、うるると絡んだ男優たちには不思議なことが起こった。
新人男優が撮影に備え、しばらく禁欲していた。本来なら黄色
っぽい色のはずが、発射されたモノは透明だったというのだ。
ほかにもベテラン男優がなぜか勃たなくなり、不思議な物体を
目撃した。残念ながら絡みの時にはUFOを撮影できなかったが、
彼女の不思議な能力がUFOを呼んだのかも。うるるは「私、小学
生の時は宇宙人って呼ばれてたんです」と語る。
本人が“宇宙人”だとしたら、UFOがくるのも不思議ではないが・・・
(三浦伸治)
(注1)2004年11月28日発売。現在も発売中!!
2006年05月18日
text by 木下奈未(ライター)
「PORNOGRAPH 48手+1 」
48手を超える新しい体位を見つけろ!!
ポルノグラフ HP[http://www.pornograph.jp/]
ビデオ・ザ・ワールドをご覧の皆さんこんにちは。
9月号でkanonミーツ堀内ヒロシ監督の撮影に参加&現場レポートを
書かせていただいた木下です。
もともとAVが好きで「ビデオ・ザ・ワールド」をこっそり愛読していたただの
AVオタクでした。AVは「見るもの」であり、 まさか自分が出演したり、
こうして本誌に書かせて貰える事になるとは思いもよらずでした。
しかし、最近とみに思います。
人生って思いもよらぬ方へ転がっていくものだと・・・
最近もあったんです、そんな事が。
じゃないですよそれはハマジムが制作する会員制サイト・ポルノグラフの『48手+1』撮影現場。
前出の堀内監督から「木下さんまたビデオ出てよ」と誘われ出演して来たのですが、
これがまたあらぬ方向へコロコロと転がってゆく撮影でありました。
監督が言うには、今回のテーマは48手だそうで「でもそれだけじゃありがちだから、
今回は『49手目にあたる新しい体位を考える』ってのをやりたい。木下さんにはそれを
考えて欲しい」とのこと。「正式に特許申請もするから」と、なんだかちょっと面白そう。
撮影当日、スタジオに集められた『新しい体位を考える会』メンバーは、堀内作品
『UFO』で存在感あり過ぎなキャラと言動が面白すぎだったフリーカメラマン・吉田さん
と、前回の撮影でKanon嬢に筆下ろししてもらった素人大学生のマサ君、そして、
私・木下の3人です。何故か全員学生服に着替えさせられ(セーラー服なんて10数年ぶり
に着ましたよ・・・)、スタジオ内の教室セットに案内されました。台本も渡されず、
これから何が始まるかよく知らされていない私とマサ君は若干緊張気味。吉田さんは・・・
いつも通りでしょうか。
しばらくするとそこに女教師役の女優さんが登場。傍らにはカメラを持った監督が。
いきなり芝居の撮影が始まっているようです。「皆さぁん、静かに。今日の授業は
48手よ」な、なんでしょうこの猥褻なフェロモンは!ただならぬエロスが眼鏡の奥で
光っています。「ハイカット! 紹介します。女教師役の結衣さんです」監督に紹介され、
素に戻った結衣さんは「誰なの~?この人達は~」と正体不明な生徒らにちょっと困惑気味
リアクション。案外気さくで可愛らしい方です。お互いの自己紹介などをしたのち、教室での
芝居場面(ミニコント?)を撮影。結衣さんはめちゃめちゃ芝居が巧いです。
それが終わると、これから別室で行われる48手を見学する為の巨大スクリーンが教室
に用意されました。ハタチの新人AD柳沢君が黙々とその準備をしている間、吉田さん
(学ラン姿がハマリ過ぎひとりビーバップハイスクール状態)は、本職である現場スチール
カメラマンとして熱心に結衣さんを激写していました。女優業とは別に劇場で踊り子さんとしても
活躍中結衣さん。次々とポーズを決めてゆく姿といい、先ほどの芝居の達者さといい、自分の見せ方を完璧に分かってらっしゃいます。
ご自身のHPをお持ちだそうで、リアルタイムで撮影現場の様子をブログに送っていました。
スクリーンを前に体育座りをして並ぶ生徒達。その後ろで椅子に腰掛けて監視する結衣先生。
そこに「皆、今から48手の勉強を始めるよ」と教育番組のお姉さんのように画面に登場したのは、
彫りの深いエキゾチックなお顔にこれでもかといった爆乳がダイナマイトな林マリアさんと男優の
森林原人さん。なんというか見た目も雰囲気も日本人離れしたお二人です。
広い部屋にポツンと置かれた白い布団の上で、48手の一手目[網代本手(あじろほんて)]![]()
が始まりました。本手とはいわゆる正常位の事。網代とは漁で魚を捕る「網」の事。その姿が男性性器=魚、女性器=網に見えるという意味からついた名前だそうです。まあ一番オーソドックスな体位であります。キスも前戯も無くいきなり挿入し、しょっぱなから盛り上がっております。そんな二人を見て吉田さんがポツリ「てことは最初から濡れていたって事だよね。この女エロいよ」と。
二手目[揚羽本手(あげはほんて)]![]()
は網代本手の発展型です。林さんのムッチリした足が森林さんの
腰に絡みつきかなりの密着度。カメラはその結合部に迫ります。当然ですが、見ている画面にモザイク
はありません。まるで裏ビデオです。「なんか見ちゃいけないものを見ている気分ですね」などとこの場に
及んでアホな事を言う私に周りは勿論苦笑してました・・・。
本手は八手まであり、九手目からは茶臼(ちゃうす)女性上位となります。![]()
吉田さんの「先生、それはちゃうっす」というベタなギャグは置いといて・・・これは先生の得意な体位らしく「先生はSとMどっちがですか?」聞くエロ生徒に対し「先生はどMよ。どMでちょいSよ」と素敵なお答え。画面そっちのけで交わされていた吉田さんのエロ質問によると、ご自分の浮気が原因でバツイチとなった結衣さんは、現在Sの
彼氏がいるらしく、その人の前ではめちゃめちゃMになるのだそうです。言葉責めには滅法弱いらしく
「やらしい先生。変態だね」という吉田さんの言葉に対し「そう変態よ。もっと言って!」と返していました。
ちなみに林さんを見て「彼女はMね。でもさっき自分からフェラしてたからちょいSも入ってる」とコメント。
そんな会話を聞いていたら(このSチックな目をした結衣さんがどスケベなマゾ顔になる所を見てみたい!)と思わずいられませんでした。
と、そんなふうに本筋とは関係の無い話で盛り上がっていた教室内でしたが、素人のマサ君は最近
付き合い始めたという彼女の為に(?)黙々とお勉強してました。
ここで、私が気になった体位をいくつか紹介したいと思います。そのネーミングのおめでたさに、一度
試して見たいと思った[宝船(たからぶね)]。![]()
そして、あぐらを組んだ男性の上に女性が乗っかり背面座位で結合する
[乱れ牡丹(みだれぼたん)]![]()
です。
これは一対一で楽しむ48手の中にあって、まるで誰かに見せ付ける為にあるような
体位でして。女の足をパカーっと広げ「さあ皆さん見てやって下さいよ。このスケベな女のいやらしいおま○こを」と大勢の人の見世物になる感じが屈辱的でいいなと・・・。いえ決して試してみたいわけではあり
ませんが・・・(?)。
途中勃ち待ちなどもあったものの、二十六手目の[八重椿(やえつばき)]![]()
正常位の大勢でありながら
、挿入はバックからしているという複雑な体位)で森林さんが発射し、現場はお昼休憩となりました。
チャイナクイックのお弁当を食べながら、結衣さんの常連のFAプロの撮影現場話や長江隆美監督の話で
盛り上がっていました。休憩終了間際「お化粧直しに行ってこよ」と席を立った結衣さんでしたが、休憩
が終わっても戻って来ません。おかしいなと思ったのですが、監督は何も言わず撮影は開始されました。
画面では林さんが「ま○こ痛い・・・ま○こ痛い・・・」とうめいています。「ごめんなさい、私もうできません・・・」と突然ギブアップ宣言。不測の事態に森林さんも困っています。と、そこに「みんな~ちゃんとお勉強してるかなぁ~」と結衣先生がエロいビキニ姿でご登場。「せ、先生~!」驚く生徒達。・・・なんて
ベタな展開でしょう。まあ予想はしていましたが。
しかし、結衣先生の登場で起こったこの後の出来事は、誰にも予想のつかない、まさに想定外(微妙に
古い)な事件でありました。
両膝をついた男性が、逆立ち状態の女性の太ももを肩に担ぎ挿入する。 [つるべ落とし] ![]()
で第二部はスタート。ちょっとアクロバティックな体位ですよ。お昼を食べたばかりの結衣先生、だいじょうぶでしょうか?と、そんな心配をよそに、すでにほっぺたを真っ赤にして本気で感じている結衣先生。48手中もっともありえないだろうと思える体位[きぬた]![]()
(女性は仰向けで膝を抱え下半身を突き出し、男性は女性に
背を向ける体勢で椅子に座るように腰を下ろし挿入する)でも本気で感じています。林さんの時「どうせなら一体位で一回はイって欲しいよね」と言っていたその言葉を自ら実践するかのような感じっぷりに、生徒
全員「この先生マジでエロい!」と見入ってしまいました。なんだか教室の温度も2,3度上がったような気がします。
後背位を基本とした6手を終え、ここからは相互愛撫&女性の秘所責めとなります。男が上、女が下の
シックスナイン[椋鳥(むくどり)]![]()
その体勢のまま横になる[二つ巴(ふたつともえ)]![]()
を気持ちよさそうに
こなし、次の[白光錦(はっこうにしき![]()
(これは体位ではなく男性による愛撫。AVでいう指マン)の時、
その事件は起こりました。!仰向け体勢で足を抱え上げ、気持ちよさそうに潮を吹いていた結衣先生でしたが、ふと気づくと、潮ではない何か他のものまで噴出しているのです。(え?血?)その場にいた誰もが一瞬はそう思ったでしょう。しかし、違いました。・・・う○ちです。潮と一緒にう○ち出ちゃいました。一同騒然。48手の現場は突如う○この匂いに包まれました。結衣さん!ここはリア王(現オペラ)じゃないですよ!ああもしここに豊田薫がいたら!(と思ったのは私だけでしょうが・・・)あまりの事に笑うしかないといった感じの監督とスタッフ。吉田さんにいたっては「う○こ」を見ると元気が出る」などと言い出す
始末。当の結衣さんは「ごめんなさ~い」と申し訳なさそうに笑っています。
じつはこの時教室では、休憩中監督がいなくなった時に吉田さんがこっそりと持ちかけてきた「見てるだけじゃつまらないからこっちでも何かハプニング起こそうよ」という秘密の会議が実行される所だったのですが、う○このインパクトに撃沈しました。残念。いやむしろ助かったのですが・・・。
気を取り直して撮影再開。体位は先ほどと同じ白光錦。またまた気持ちよさげに潮を吹き「あ~いい~
~いっちゃう~!」(よかった今度は大丈夫だ)皆がそう思いかけていた時・・・「ブシュー」・・・まさかの二糞目。さすがに二度目はまずいと思ったか、結衣さんも半分泣き笑い。しかし、私は(なんて豪快で突き抜けたひとなんだろう)と、むしろちょっと感動しましたよ。
そんなこんなのハプニングも乗り越え、最後は[虹の架け橋(にじのかけはし)]![]()
というロマン溢れる体位で無事フィニッシュ。一同から拍手が起きました。
その後いよいよ、今見たことを踏まえた上で(いやう○こは踏まえなくていいんですけどね)生徒達の新体位発表となったのですが、ここで監督から驚愕の一言が。「じゃあ今からその体位を各自で実践してもらいます」(ええ~っ? 聞いてないですよそんな事!)
驚く生徒達。ある者は「あんな体位考えるんじゃなかった・・・」と青ざめ、ある者は「監督、俺勃たないかも・・・」と逃げ腰になり、そしてある者はまんざらでもない様子で・・・。
さらにひと波乱あったこの後の模様は、ポルノグラフ[http://www.pornograph.jp/]でご確認下さい。会員にならないと見ることが出来ませんが、どうぞこの機会に入会してみるのはいかがでしょうか。
ちなみに結衣先生と林さんが考えた驚愕の体位も見れますので・・・。
帰り際に「木下さんこれあげる」と、森林(この日一番の功労者)が私にあるDVDをくれました。家に帰ってみたら、外国の女の人がワンちゃん相手にチ○ポしゃぶったりハメハメしたりする変なビデオでした。
森林さん、犬ってバックしかやらないんですね。48手(+1)もやってる人間って変態 否、素晴らしいですね!
※ビデオ・ザ・ワールド2006年1月号(コアマガジン社)より転載
2006年05月17日
text by 柳下毅一郎 (特殊翻訳家)
「もはやAVではなく、ドキュメンタリー! HMJMのあくなき挑戦!!」
ビデオを買った人間の七割は
子供の運動会を記録するという。
残り七割はハメ撮りをする。
なぜかと言えばAVで見たからだ。
メディア社会においては、現実はイメージを模倣する。
普通の人にとってはAVが現実のセックスに先行し、
誰もがAVを真似てセックスする。ならば現代日本に
おけるセックスのかたちをきめたのはカンパニー松尾
その人だと言えよう。
カンパニー松尾は九〇年代の一連のハメ撮り作品で女優と撮影者の二人きりの
濃密なセックス表現を完成させ、日本人のセックス観を決定的に変えたのだ。
その松尾が立ち上げた新AVレーベルがHMJM(ハマジム)である。
インターネットサイト(http://www.hamajim.com/)
での販売を中心に、セルオンリーで質が高い=作家性の強いAVを提供する。
HMJMのDVDは普通とは少々違う。七インチシングル・サイズのジャケットは写真もデザインも
垢抜けており、一見しただけてはAVとは思えない。中身の方も一筋縄ではいかず、在日三世の
ドキュメンタリー作家松江哲明やバクシーシ山下らの作品を揃える。その最新作
「UNDERCOVER JAPAN」を見た。
企画自体はきわめてシンプルである。二〇〇三年十二月二十四日から二〇〇四の元旦までの
一週間を、デジカメを手にした三人の監督が切り取る。一人は平野勝之。『由美香』にはじまる自転車
旅行三部作で真冬の北海道を走り、ブリザードをかいくぐって日本最北端を目指す。
松尾は東京でテレクラや伝言ダイヤルを駆使し、AV女優志願の素人相手にハメ撮りする。
第三部は『パイナップル・ツアーズ』真喜屋力が故郷沖縄に帰り、思春期を過ごした斜陽のピンク映画
を撮る。三人三様の切り口で二〇〇三年末の日本の姿をあぶりだすドキュメント。
そして、それは素晴らしく成功している。雪の北海道で死の危険にさらされる平野パートの馬鹿馬鹿
しくも壮厳な雪景色も美しいし、次々に登場してくる素人女優のアクの強さに疲労の色を隠せなくなってくる松尾パートのどうしようもない寂寥感も胸に沁みる。だが何より素晴らしいのは真喜屋パートだ。
燦々と降り注ぐ陽光の中の、ハリセンボンや子猫とたわむれながら、あくまでも明るくピンク映画館の
死が描かれている。「他にやることないからね」とつぶやく老館主の姿は、不景気と高齢化に喘ぐ沖縄
そのもののメタファーでもあるものだ。
驚くべきは、この素晴らしい『UNDERCOVER JAPAN』はすでにAVでもなんでもないという点だろう。平野パートと真喜屋パートには女優すら出てこない。松尾のハメ撮りですら『UNDERCOVER JAPAN』にはNON FICTIONの文字が打たれている。これは「ノンフィクション」であり、「アダルト・エンター
テインメント」ではないのだ。思えば松尾の素人女性ハメ撮りオムニバス『Auction』シリーズもまた、
地方に住む普通人の―「日本」そのももの―姿をえぐりだすものだった。
『Auction02』に登場する郡山の「普通の娘」の人生に思いを馳せなかった人がいるだろうか?
ならばHMJMの挑戦はノンフィクション、ドキュメンタリーを試みだったとも言えよう。
それはきわめて困難な道でもある。
現在HMJMは新規リリース凍結中(注1)だが、二〇〇四年のもっとも優れたドキュメンタリーを発表した
功績はいささかも薄れるものではない。一日千秋の思いでリリースの再開を待つものである。
(注1)HMJMオリジナル作品に関しては現在もリリース凍結中です。
漫画アクション2005年4月5日号より転載
柳下 毅一郎さんのHP
http://www.ltokyo.com/yanasita/
2006年05月16日
text by LOFT/PLUS ONE シンスケ横山
「豊田道倫 映像集Ⅱ」
パラダイス・ガラージこと豊田道倫のニューアルパム
『東京の恋人』と同時に発売されたこのDVD。
豊田さんの6年間ものあらゆる場所でのナマ撮り
ライヴ映像と新作クリップ5作品からなり、監督は
豊田さんと以前からコラボを繰り返しているあの
天才AV監督カンパニー松尾さんで、当然というか
とても素晴らしい作品に仕上がっている。
2時間ちょっとある作品だが全編に松尾さんテイストが
炸裂していて、一本の優れたドキュメンタリー映画の
ように一気に堪能しながら見ることができる。途中で
松尾さんのこんなテロップが入る。
「一般的に区別されてるAVと音楽だが、僕の中で
同列である。日常にあるものとして。だから僕は豊田
君をハメ撮りする」。こういう独自な視点の松尾さんだから
こそ、この作品は他のあらゆる音楽映像作品と比べ全く
異質なワン&オンリーなものに仕上がっているのである。
とよたさんも松尾さんもそれぞれ業界でそういう存在である
のと同じように。(LOFT/PLUS ONE:シンスケ横山)
ROOF TOP 2006年1月号掲載。

![]()
ご注文はこちらから
http://www.hamajim.com/lineup/music/index.html
LOFT PROJECT WEB SITE
http://www.loft-prj.co.jp/
text by LOFT PROJECT 平野悠
「UNDERCOVER JAPAN」
いろいろ問題になったDVDらしいが、とにかく平野勝之の
史上に残る名作「ホワイト」(注1)が未だビデオ化されず、
「もう一度見たいな」って思っていて、悲しい思いをしている時、
加藤梅造(注2)が「そうですか、ホワイトもう一度見たいんですか?
ここに真冬の北海道にチャリダーとしてはまった平野勝之監督が
いるよ」ってこのDVDを渡された。あたしゃ、勝之監督の悪戦苦闘
を一緒に感じたくって見たんだけど、いや~凄いよ!無茶凄い!
なにがって・・・カンパニー松尾の真に迫った「はめどり」がだ!
何人ものはめどり志願の女性が出てくる。わたしゃ今や
歌舞伎町「裏ビデオ」専門家なのだが、これ程のきりぎりアウト
かセーフか知らないけれど、もうちょっとやそこらのエロでは
滅多に抜けなくなってしまっている60歳過ぎの私が抜けたのだよ。
何と言ってもリアリティがありすぎ。いつも自然体で女と絡んでいる
松尾監督の永遠の「はめどり名作」だ。これで君が抜けなかったら、
わたしゃ、料金返しても良いよと思うくらいだ。これまじ。
これではいくら勝之監督が真冬の北海道で吹雪とちゃりんこで
格闘しても、真喜屋監督がほのぼの沖縄を描いても、この「偉
大なエロ」には絶対勝てないと思った。松尾監督のエロには何者
も勝てない! これは私が断言する。カンパニー松尾のはめどり
を堪能してから、勝之、真喜屋監督の映像を見ることをお勧め
したい。
(平野悠)
ROOF TOP 2005年6月号掲載
(注1)正式タイトルは「白 ~THE WHITE~」
(注2)LOFT/PLUS ONE プロデューサー
LOFTPROJECT WEB SITE
http://www.loft-prj.co.jp/
2006年05月15日
text by 安田理央(ライター)
「安田理央のもっとはずかしいしごと」
AVに出演したいと5年前の写真で応募してきた38歳の女。
どう見ても商品価値は無さそうなルックス。
男は気乗りしないままにカメラの前で彼女を抱く。
男と交わるのは久しぶりなのか、挿入時に苦痛を訴える女。
男はなぜか女に「愛してる」と繰り返し言わせ、射精の代わりに
風呂場で口の中に小便をぶちまける。終わった後、わずか2万2千円
のギャラをもらい、大阪の街を自転車で帰っていく女。豊田道倫の
“あの汚くなった靴をあの子はひとりで買ったのだろうか”が流れる。
そして、テロップ。
「僕はなにがしたいんだろう」
カンパニー松尾の監督作『オークション02』のワンパート。見事なくらい
AVの機能を放棄したかのような映像。画面から伝わってくるのは、
セックスの興奮ではなく、セックスの哀しみだ。
カンパニー松尾は1988年のデビュー以来、AVを撮り続けている
ベテラン監督だ。自らセックスしてカメラを回すハメ撮りという手法を
完成させた第一人者であり、AVに私的な視線を持ち込んだ男でもある。
撮影者である自分が何を感じ、どう思ったかを映像とテロップで視聴者に
語りかける。例えばそれは、可愛い女の子と素晴らしいセックスが出て来た
時の喜びであったり、AVに出演する理由が不明な素人女性への疑問であったり
、高速道路を飛ばして東京へ帰ってきた時の、ほっとする気分であったりもする。
本来なら文学やロックが担うべき分野の表現なのだろうが、松尾はそれをAVに
持ち込み、AVの可能性をぐいぐい押し広げていった。
そんな松尾が自らのインディペンデント・レーベルHMJMを立ち上げ、
作品をリリースし始めたのは去年のことだ。7インチレコードサイズで統一
された紙ジャケットは、どれこれもAVとは思えないようなイカしたデザイン。
そして、内容も前述の『オークション02』のようなAVの枠をはみ出すような
ものばかりだった。
在日というテーマに挑んだ『アイデンティティ』(監督:松江哲明)やUFOの町
石川県羽咋市での奇妙な数日間を描く『UFO』(監督:堀内ヒロシ)と松尾以外の
監督作品も異色なものばかり。三人の監督のオムニバスである『UNDERCOVER JAPAN』
も凄い。平野勝之監督のパートはたった一人で極寒の北海道最北端の地を自転車で走破した
記録。真喜屋力監督パートは沖縄に帰省したついでに、実家の近所の寂れたピンク映画館で
ブラブラする日々を撮影したもの。何が凄いって、東京で懸命にハメ撮りする松尾パート以外は
、セックスどころか女性すら登場しないのだ。もはやこれをAVと呼ぶのは勇気がいる。
そして、実際、AVとしてのHMJM作品は、あまりセールスが芳しくなく、今年に入って新作リリース
を凍結するに至った。「それみたことか」というのが業界の反応だった。
あんなヌケないもの、誰も買わないよ、と。そして長年カンパニー松尾を追いかけている僕も、
「やっぱり」と思った。今のAVシーンは、余分なモノを排除したピュアな「ヌケる」作品が主流と
なっている。300円で借りられたレンタルから、3000円前後で販売されるセルへと市場が
移行した影響だ。3000円も払うのなら、確実にヌケるものじゃないと、というのがユーザーの素直
な感想だろう。かくしてドラマ物や特殊な企画物は駆逐されつつある。HMJMの作品群は、
あきらかにAV業界の時流に逆行しているのだ。
しかし、それはHMJM作品の評価とは全く別の次元の話だ。音楽や映画でも、素晴らしいけれど、
商業的に失敗したという作品はいっぱいある。でもHMJMの失敗は、見るべき人の下に作品が届か
なかったことにあるのではないかと僕は思っている。
だって、これじゃAVじゃないんだもの。
さぁ、AVを見るぞとパンツを下ろしかけている人に、これを見せるのは酷な話だ。いや、確かに松尾の
ハメ撮りは、たまらなくエロティックなのだ。なによりもリアルにセックスの快感を伝えてくる。そこだけ
見れば、十分にヌクことだって可能だろう。しかし、たいていの場合のセックスは、性欲だけで成立し
ているわけではなく、様々な感情や事情といった重くややこしいものが付随してくる。そして松尾のカ
メラはそうしたものまでも遠慮なく写しとってしまうのだ。
HMJMの作品を見るべく人、必要としている人は、たぶんAV好きの人ではない。
規格どおりのエンターテイメントに飽き足らない人、うわっつらだけの表現に反発するような人、そして
自分の中の汚い部分をきちんと認められるような人にこそ、HMJMの作品は届けられるべきなのだ。
だからこそ、もうHMJMはAVの看板を下ろした方がいいんじゃないかと、僕はカンパニー松尾に提案
したことがある。そうした方が、届けられるべき人の下に届きやすくなるんじゃないのかと。AVだから、
というだけで敬遠してしまう人の方が多いのだから。
しかし松尾はきっぱりとこの提案を却下した。彼の答えはこうだった。
「おれはあくまでもAVにこだわりたい。AVの枠を狭めるんじゃなく、AVにはこんな可能性もあるんだよっ
てことを提示していきたいんだよ。AVが好きだから」
なら仕方が無い。ファンとして僕は勝手に援護射撃をしようと決めた。
ねえ、読者のみなさん。この原稿を読んで、ちょっとでも気になったなら、HMJMのDVDを買ってみないか?たった4830円で今まで味わったことのない種類の感動が手に入るんだぜ。
とか、書いちゃうと、まるで広告みたいだけれど僕は本気でそう思っている。届けられるべき人の下へ、
届けなくちゃいけないと思った時は、なんだってするよ。さて、読んでいるあなたは、届けられるべき人なのかな? 違ったらごめん。
他をあたります。
BUZZ 2005年5月号より転載
2006年05月09日
text by HMJM
「柳下毅一郎 映画評論家・特殊翻訳家」
「Undercover Japan」や「Auction02」を見て郡山の
「普通の女の子」の人生の裏にある底知れぬ闇をえぐり
出して見せたものである。人生はむなしく、そして、
どうしようもなくせつないものである。
月刊ウラブブカ 2005年6月号より転載
柳下毅一郎さんのHP
http://www.ltokyo.com/yanasita/
2006年05月08日
text by HMJM
「豊田道倫 パラダイスガラージ(ミュージシャン)」
AVを見ていて、女優に歌わせたいとよく思う。
言葉は便利だが、嘘をつく。
セックスは楽しいけど、ごまかせる。
歌でしか伝わらない何か、人間の何かがあるような気がする。
HMJMの作品は、あの7インチレコードジャケットのように、
歌だと思う。
また、HMJMの中で歌いたいです。
月刊ウラブブカ 2005年6月号より転載
2006年05月02日
text by 友成純一 (映画評論家)
「エッチとアイデンティティとAVドキュメンタリー」
今から二十年ほど前、AVが盛んになり始めた頃のことだが、白夜書房という会社の某ビデオ雑誌(『ビデオ何とか』…題名を失念!)に数年間、AVビデオ評を書き続けたことがある。担当者は四人いて、毎月百本ほどのビデオを四人で手分けして見た。百本ほどを四人で見るから一人二十五本前後、これを締切りの関係から二日ですべて見なければならなかった。本編を早送りするとかパッケージだけを見て書くとか、そういう手抜きはせず、我々は意地で、すべて最初から最後まできちんと見て書いた。どの作品がエッチ度が高くて、どの作品は変態度が高い、どの作品はただのアイドル物で全然ヌケない――なんてのを きちんとチェックした。正直にボロクソに書いたおかげで、製作会社や監督たちの怒りを買ったことも一度や二度ではなかった。
当時はDVDはおろかLDすら出始めたばかりだったから、素材はすべてビデオテープだった。長さは二十分から一時間で、三十分くらいの長さが普通だった。それを二十数本、丸一日掛けて一気に見て、コメントを書く。途中から何がいやらしくて何がいやらしくないんだか、判らなくなる。ましてこれを、毎月毎月、何年も続けていると……しまいには、スケベ感覚が麻痺して、スケベかどうかよりもいかに強烈な刺激に満ちているか、いかに驚きに満ちているか、そちらの方に目が行ってしまうようになった。当時、私はスプラッタ作家並びにホラー映画の評論家としてデビューしつつあったが、私の小説と映画評がセックスを扱っていながらもどんどん変態な、エロよりもグロに限りなく近付いて行った背景には、この時期にスケベ感覚が麻痺するほどAVを見まくった、見まくらざるを得なかったという事情もある。
今も書いたように、当時のAVのラニング・タイムは三十分前後。従って内容は、エッチを一回か二回やったら終わりである。設定も背景も物語もなく、ひたすらエッチであること、あるいは変態であることが求められた。八十年代半ば、家庭用ビデオデッキの普及に伴う急速なAV業界の発展は、ポルノ・ピンク映画の決定的な衰退をもたらし、従来のポルノ・ピンクファンは、エロ物から物語性、情緒性が失われてゆくことに限りない哀惜の念を覚えたものだった。
事実この時期、八十年代半ばから九十年代前半に掛けてのAVは、ラニング・タイムと予算の制約のせいもあり、ひたすらエッチを、それだけを追求していたと思う。そうやってエッチを求める若者や中年男の欲望を満たしつつ、古き良き日活ポルノやピンクを駆逐して行ったと。
数年間続けたビデオ雑誌でのAV評の仕事もやがて終わり、私はAVを全然見なくなった。正直、もう辟易していた。そして変態グロ作家、人でなし映画評論家の道を邁進して今日に至っているのだが……。
先日、ひょんなことから若手ドキュメンタリー(AV)監督の松江哲明氏に出会い、AV製作会社ハマジムを紹介していただき、数本のAVを見せてもらう機会を得た。DVDが中心だったが、まずラニング・タイムの長いのに驚いた。いずれも二時間から三時間ある。「おいおい、こんなに何時間もエッチを見せられるのかよ、溜まんないな」というのが正直な印象で、送られて来たDVDをすぐに見る気にはなれず、しばらくDVDの棚に放置したままでいた。
まず見たのは、「未確認淫行映像UFO」。UFOが目撃される町として一部で名高い羽咋市で、UFOを呼び寄せるべくひたすらエッチをし、UFOが姿を見せないからとまた改めてエッチをするという、それだけの話である。それだけの話ながら、実際に羽咋市にロケし、UFOを何とか捉えられないかと田舎町の広大な空と海を写すカメラに、作り手の一種の執念を感じた。次々に登場する女の子や男優たちのキャラが、また面白かった。ここには二十年ほど前に私が見まくったAVとは明らかに一線を画する、さすがに二時間半と長いだけはある、何かがあると。
続いて見た在日韓国人や在日中国人の女優や男優を主役とした松江監督の「Identity」。この<アイデンティティ>という単語に接した時、「UFO」で感じた、「これは、俺が知っていたAVとは何かが違うぞ」と思ったその<何か>の正体に気付いた。アイデンティティ、そう、アイデンティティなのである。
「UFO」「Identity」、さらに続けてみた衛星放送で放映されたドキュメンタリー番組「ハメ撮りの夜明け・完結編」、日本の北海道の最北端と東京と沖縄での監督たちの体験を描いた「Under Cover Japan」、いずれにおいても追求されているのは、作り手自身の、そして登場伊人物たちのアイデンティティなのである。
エッチはただのエッチでなく、肉体と肉体を交えることにより、自分自身を、そして相手の存在を確認する行為だ。人間は一人で生きているのでなく、他人と関わることにより自分を確認できるのであり、セックスはその最も重要な手段だ。さらに人間にはそれを取り囲む環境があり、自分の生きている風景との一体感は生きていることを実感する上で欠かせない。今回見た作品はいずれも、そういう意味でのセックスと、風景との一体感を大切に捉えている。これは、凄いことだと思った。
生活を取り囲む何もかもがデジタル化しつつある今、人間はアナログである本質を忘れつつある。だからこそ言いようのない疎外感に襲われ、無差別の通り魔的な犯罪に走ったりする。セックスは、人間が本質的にアナログな存在であることを思い出させてくれる、大切な手段なのではないか。DVDというデジタル技術の最先端により、セックスと言うアナログな人間の営みが追求されてゆく。これを私は、すごく面白いと思う。そのセックスを営む男女の背景、空が、海が、夜の町が、昼の街並が、人間の生活に深く関わる風景がきちんと描かれていればこそ、セックスが失われたアイデンティティを取り戻す行為として、ますますエロっぽく際立って行く。
私が見せてもらった四本のAVはその意味でいずれも、紛れもなくドキュメンタリーであった。作品のいずれも、冒頭に<NONFICTION>と銘記されていたが、まさにその通り、これらはエッチAVであり、人間のアイデンティティを追求するドキュメンタリーでもあった。
先に、二十年前にAVが登場した時、ひたすらお手軽にエッチ行為だけを追求するAVの出現のおかげで、物語的な面白さ、情緒的な感受性の豊かさを保持していたポルノやピンクが駆逐されてしまったと書いた。だがそれは、AVが出始めた時期の一時的な出来事でしかなかった。九十年代を経てAVが一つの表現手段として確立した今、AVはエッチと人間存在の本質をドキュメンタリー的に追求する手段となっている。単純に色分けするなら、劇場用のピンク映画(日活ポルノは残念ながらとっくの昔になくなってしまった)が物語、創作物としての面白さを今も追求しているとするなら、デジタル・ビデオを駆使して作られるAVはドキュメンタリーの面白さを発見しているのではないか。少なくともハマジムの作品は、齢五十に達する私を勃起させてくれるほど充分なおスケベに満ちていると同時に、ドキュメンタリーとしての面白さも併せ持っている。
限りなく存在する今日のAVのうち、私はわずか四本を見たに過ぎない。が、久々に見たAVに興奮すると同時に、こんな感慨を覚えた次第です。
text by 銀杏BOYZ 峯田和伸(ミュージシャン)
「レディコミ志願兵出張撮影ドキュメント/オークション02 巨乳ちゃんと不思議ちゃん」
カンパニー松尾氏によるハンディカメラ撮影・セックス・編集・文による「レディコミ志願兵出張撮影ドキュメント/オークション02 巨乳ちゃんと不思議ちゃん」。
これまでも松尾氏の作品は好きで観てきたが、今回のこれはまた最高の「映画」だった。日本全国をバイク一台で移動しながら六人の女性と出会い、まぐわう現代のイージーライダー的ドキュメンタリー型ロードムービー。AVを超えたAV。
様々なハプニングにも見舞われ、終盤、地方での撮影から一人、帰路につく松尾氏。回されっぱなしのカメラに夜の高速道路からやっと東京の夜景が現れる。
「こう、外から帰ってくるときの東京の夜景が好きだ。」
松尾氏の作品には時々ドキッとする字幕が入る。たまらない。人間のやるせない心情だったり、どうにもできない孤独感がたまに風景と重なる瞬間がある。松尾氏のカメラはその一瞬を逃さない。女の子の裸を撮るよりも、セックスを撮るよりも、むしろそういったものを撮りたがっているように思えて仕方がない。そしてそれこそ僕にとって最高の映画だ。感動しました。パラダイスガラージ豊田道倫氏による音楽も素敵でした。
銀杏BOYZ 「峯田和伸の★朝焼けニャンニャン 」http://blog.livedoor.jp/mineta1/
2006年05月01日
text by 安田理央(ライター)
「PORNOGRAPH紹介」
カンパニー松尾らのインディペンデント・レーベルHMJMによる撮り下ろし動画配信サイト、それが「PORNOGRAPH」だ。
2004年2月に開設されたこのサイト、カンパニー松尾はもちろん、堀内ヒロシ、松尾アキヒトらHMJM所属監督、さらに二村ヒトシ、甲斐正明、ペヤングマキ、平野勝之、松江哲明といった個性派監督が撮り下ろすという他に類を見ない豪華さが目立つ。ある意味で、かつてのV&Rプランニングからhmpの企画レーベルへと流れた異色監督梁山泊を継ぐ場だと言えるだろう。
日曜日以外毎日更新されるムービーや画像は、さすがにAV業界で活躍している監督たちの手によるものだけあってクオリティが高い。他の動画配信サイトのムービーや画像が、どこかチープで素人くささを残したものが多いのと比べると、その差は歴然。特にHMJM代表取締役でもある人気カメラマン浜田一喜の撮影による画像のクオリティは、ずば抜けて高く、コドモのケンカにオトナが乗り込んで来たようにすら思える。
しかし2004年に発売されたHMJMのオリジナルDVD作品群が、エロの向こう側に突き抜けようとしたトンガリっぷりだったのとは違い、PORNOGRAPHはグッとストレートにエロにフォーカスしている。もちろん作品ごとにはそれぞれの監督の色はしっかり出ているのだが、サイトの表面上はあまり監督の名前を前面に押し出さず、女の子中心にアピールしている点にも、そのあたりの姿勢の変化が感じられる(会員募集用のトップページには、カンパニー松尾の名前すら無い!)。あくまでも実用面を重視した作りになっているのだ。
現在、PORNOGRAPHは、「AVよりディープに。ハメ撮り隊長カンパニー松尾がお送りする究極のエロムービー」という「VIDEOGRAPH」、「乳がデカくてスケベな女を衣装とシチュエーションにこだわってコスプレし、ハードに責めまくる巨乳エロギャラリー」という「DRESSGRAPH」、そして「フレッシュなギャルを求めて全国各地を旅する素人ハメ撮りコンテンツ。女の子達の本音を写真・動画と文章でご紹介」という「AMATEURGRAPH」、さらに期間限定公開の「Limited Gallery」の4つのコーナーで構成されている。
また、この春からVIDEOGRAPHはリニューアルされ、女優主体のSTAR、明るくポップな企画モノのPOP、AVならではのノンフィクション性にこだわるDOCUMENTの3レーベルを擁するという。このあたりは、単体と企画などを区別するAVメーカーのレーベル戦略と同じだ。
PORNOGRAPHは月額2500円(初回月のみ入会金480円が必要)の見放題定額制を取っている。その流通構造上、どうしても作品一本ごとに、販売に直結したわかりやすさを要求されるセルAVとは違い、定額制ならばある程度の余裕を持った制作姿勢が許される。
つまり、こっちでガチに抜ける作品を作ったから、こっちは見て面白いものを作ろう、ということが可能になるのだ。この余裕こそがレンタルからセルに移行する過程でAVが失ってしまった部分だ。90年代前半のAVが面白かったのはこの余裕から産まれた実験精神にあったと筆者は考えている。
例えば、松江哲明監督が撮った一卵性双生児モデルを起用した「双子でDON!」などは、双子であることを利用して騙される男優・花岡じったのリアクションが実に楽しい。相手が実は双子でセックスの途中で入れ替わったことを知らされた時の花岡じったの表情には思わず笑ってしまった。こういう面白さというのは、あくまでも女の子中心の今のセルAVではあまり出会うことが出来ない。
HMJMオリジナルDVDに比べると、PORNOGRAPHはストレートなエロだと書いたが、それでも最近のセルAVや他の撮り下ろしサイトのドライな作風とは、かなり違う。PORNOGRAPHのムービーは、女体を、そしてセックスをそのまま撮るだけではなく、その背景にあるドラマを映し出そうとしているのだ。今のセルAVやネットに慣れたユーザーの中には、そうしたこだわりを古臭いものと感じてしまう人もいるかもしれない。しかし、そうした部分にこそエロを感じる人も、また多いのではないだろうか。
昨年夏から配信ムービーを再編集したDVD版も発売され、好調なようだが、こちらは割合とストレートなエロ物を中心にまとめている。PORNOGRAPHの本当の面白さは、サイト版にある。会員制の動画配信サイトというのは、慣れていない人には少々敷居が高く思えるのだが、そこは勇気を持って乗り越え、ぜひ一度PORNOGRAPHの魅力に触れてみて欲しい。
作品紹介
どっちのエロエロショー
甲斐正明vs堀内ヒロシ 果たして勝敗は?
同じモデルを使って2人の監督が競作するという試み。甲斐正明と堀内ヒロシの対決、素材は三上翔子! ミカショー自身に企画を練らせようとする甲斐監督ですが、なんだかんだで結局、痴女プレイといういつものミカショー物に。んで、堀内監督も、割合ストレートなハメ撮り。やっぱり素材が個性的だと、ヘタにいじらない方がいいという判断でしょうね。いや、もうミカショーですから、そのままで十分クオリティ高いんですけど。
性欲の強い女の子
SでもMでも森野雫はエロいです
ドグマでも何度も対戦済みの二村ヒトシ監督×森野雫コンビ。イントロのねちっこいセーラー服オナニーから全開の二村ワールドですよ。あどけないロリ顔で痴女フェロモンをまきちらし、教師に顔面騎乗、ちんぐりがえししてアナルを舐めまくる森野雫が素晴らしすぎます。ラストは二村監督自らお兄ちゃんとして雫ちゃんと対戦。二村監督の言葉責めに感じまくる雫ちゃんも、やっぱり素晴らしい。SでもMでもイケますねぇ、この子は。
トーキョーMストーリー
真性マゾを貫きながらスパンキング!
乳首、そしてアソコにもどでかいリングピアスをつけている真性マゾなAYAKA嬢を、サディスティック・カンパニー・松尾がハメ撮りしますよ。「こんなのつけてるなんて、すごい変態」とカン松に囁かれる度に激しくあえぎ、どこを触られてもビクンビクンと感じまくり、泣きじゃくるAYAKA嬢がエロいのなんの。四つんばいにさせてヒップをバックから貫きながら、ペシペシとスパンキング。もちろんTバックは穿かせたままです。
双子でDON!
セックスの最中に双子が入れ替わったら…
美華と萌華という25歳の一卵性双生児ちゃん。どちらもお世辞にも美人とは言えませんが性格よさそうエッチそう。この二人がセックスの途中で入れ替わり、相手の男優・花岡じったが気づくかどうか…。いちいち素直に反応する花岡じったが可愛い(笑)。「自分自身みたいだから、別に抵抗ない」という双子レズも圧巻。大変ヤバいものを見ているような興奮。面白くてちゃんとエロ。往年のV&Rを思わせる企画モノの秀作であります。
今日のハメ事
グラビアモデルを口説いてハメ撮りできるか
ニュース番組のパロディ風。パンチラ盗撮マニアだというAV監督の小坂井徹が登場。仕込みのカップルを追跡し、その盗撮テクニックを披露…するのかと思いきや、なぜかカラミはやらないグラビア系巨乳モデルを口説いてハメ撮りするという展開に。気の弱い小坂井監督にこの役は、いくらなんでもミスキャストでは、と思いきや実は意外な展開に。これまた往年のV&R、それもバクシーシ山下のドキュメントを彷彿させる面白さ。
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噂の巨乳家庭教師 桃井りか
Gカップ100cm爆乳を揺らして個人授業
家庭教師の生徒募集という怪しいチラシに誘われてホテルの一室を訪れてみれば、そこに待っていたのはGカップ100cm爆乳の桃井りかちゃん。大きく開いた胸の谷間がまぶしくて、ついつい国語の授業から肉弾保健体育へ…。カンパニー松尾のコミカルなベタエロ路線のハメ撮り。勃起したペニスが完全に隠れてしまう爆乳パイズリはもちろん、ショーツに喰い込むモリマンが、なんともいやらしい。文句ナシに楽しめて抜ける作品です。
オレンジ通信2006年5月号より転載
PORNOGRAPH HP
http://www.pornograph.jp/
text by 阿部嘉昭 (映画評論家)
「堀内ヒロシ『未確認淫行映像・UFO』」
こりゃ、「問題ドキュメンタリー」だわ。
一般にハクイといえば小股の切れ上がった女への形容だが
ここでのハクイは「UFO町おこし」をして
脱力的に全国にその名を一部轟かせる石川県「羽咋」だった!!
アイドル志願兵うるるまみを神輿にかつぎ
UFO発見の旅に出るスタッフ、出演者たち。
うるるまみの「押し出しマンコ」、
その「女の細道」に旅情が宿るかといえば宿らない。
あまりに羽咋、なーんもなさすぎて。
脱力的なうるるの歌と踊りに
享受者の審美眼がどんどんダラシナクなってゆく・・・
(ドキュメンタリーにこんな「のほほん」リズムが許されるかどうかさえ
人は判断不能になってしまうのだった)。
もともと作品にはスタッフのヤラセ芝居が横行していたのだが、
やがてスタッフ間に「UFO」を観たとの証言が続出しだす。
それがうるるのSEXと関係アリ、という流れとなって、
で、ついに、その真偽を享受者に問いかける「問題映像」が出現する!!
ああ!! これはドキュメンタリーにたいし
あらゆる審級において苛烈な問いかけをおこなう、
「鬼子ドキュメンタリー」だったのだった
(だとするとその後日譚部分があまりにメロウで美しいが)。
ともあれ100年後のドキュメンタリー学は
この『未確認淫行映像』の撮られた年を
「ドキュメンタリーの新しい夜明け」と定義するであろう・・・
text by 阿部嘉昭 (映画評論家)
「松江哲明『Identity』」
松江・『あんにょんキムチ』・哲明は
現今ドキュメンタリー界の最要注意人物である。
V&R作品でドキュメンタリー精神を磨き、
ハメ撮りを覚えて頽れてゆくのかと思いきや、
ちゃっかりカレーライスを女性思慕の道具にしたりしている。
喰えないヤツ、「自分派」なのか「社会派」なのかもわかりゃしない。
で、この『Identity』ではAV出演者に
日本国籍ではない者が多いという事実をつきつけ、
「在日」や中国人のSEXを撮りまくるのだった。
そこで勃ったりすると、
その者の隠れた「性の植民地主義」が暴かれてしまう――
だから良心は勃たないよう身体に制御をかけるのだけど、
やっぱりソコはソレ、「催して」しまう――
その意味でこのドキュは享受者自身のアイデンティティをぐらつかせる、
そんな罠をつきつけてはいないだろうか!?
おもえば、AVという「何でもアリ」の表現の器は
松江のような「何でもアリ」の異才をずっと待っていたのだった。
その意味で本作は「出会いの金字塔」、画期作と呼べる!!
観るべし、感じるべし!!
text by 阿部嘉昭 (映画評論家)
「平野勝之/カンパニー松尾/真喜屋力『UNDER COVER JAPAN』」
2003年暮―2004年正月、
三人の「自己執着」型映像狙撃兵が
厳寒の北海道を突っ切り、東京をさまよい、沖縄に戻り、
世界が同時に複数であることをドキュメンタルに証明した!!
――この三つの局相とはすべての局相である。
ただ、平野が選び取る風景には
もうあのメランリックな犬の姿がない。
カンパニーのクリスマスSEXもそののち
「東京流離」の悲哀を湛えてしまう。
真喜屋の沖縄も寂れたピンク映画館とハリセンボンが
風景のなかに溜息を立ち上らせるだけ。
この三つの淋しさの局相とはすべての淋しさの局相である。
だからいい!! すごくいい!!
あ、金子光徳によるDVDジャケットも大好き。
そこでは酔って路上にヘタった女が
散乱した花の姿をしていた。
そう、この『UNDER COVER JAPAN』は
世界がフラッシュされ写真集となったとき
どの頁も沈鬱な色に染まると知っている。
「僕」も「あなた」も実はすでにそのなかにいるんだ、と。
text by 阿部嘉昭 (映画評論家)
「カンパニー松尾『Action02/巨乳ちゃんと不思議ちゃん』」
大カンパニー松尾は
「巨乳vs不思議」の対立構図など
始めっからワヤクチャにするだけだ。
つまり「女は女である」、それが彼の思想。
ってその同語反復、ゴダールじゃん!!
けれどこんな同語反復のなかから
「世界はいろいろ」が見え出すのがスゴイ。
もっとも哀しい不思議ちゃんのゲロ、
もっとも正視しにくい姥桜、
もっとも奇妙なケータイ報告女・・・
けれども「女の細道」の旅路の果て、
松尾カンパニー芭蕉は、思想的な恋をする。
AV親和度抜群の「ニュータイプ」、四条大橋の女に。
こんな「ニュータイプ」がやがて蔓延すれば、
世界の映像や、世界の恋が変わる――
それがこの3時間40分の長尺ドキュが突きつける、
最終的な希望の哲学なのだった!!
フーリエ主義者、私は、その希望にまみれ泣いた・・・
text by 阿部嘉昭 (映画評論家)
「カンパニー松尾『Action01/人妻』」
大日本「人妻」低国の腐食や溶解や脱力を、
大カンパニー松尾が全国縦断ドキュメント!!
快調な肉薄! 快調な乖離!(かいり)
哀調な肉薄! 哀調な乖離!(かいり)
大松尾のシューティング(狙撃)道具は
相変わらずの極上肉棒と天才カメラだが、
これらのあいだにはむろん真実探究の魂もある。
その魂がやがて「疲れる」のが色っぽいぞ。
それをまた豊田道倫の音楽が極上に染めあげたりして。
ああ!! でも、セックスを仕事やカネにするなんて
松尾さん&人妻たち、何て切ないんだろう。
そうだ、このドキュメンタリーは
大日本ドキュメランコリーだ!!
