2006年05月01日
text by 阿部嘉昭 (映画評論家)
「平野勝之/カンパニー松尾/真喜屋力『UNDER COVER JAPAN』」
2003年暮―2004年正月、
三人の「自己執着」型映像狙撃兵が
厳寒の北海道を突っ切り、東京をさまよい、沖縄に戻り、
世界が同時に複数であることをドキュメンタルに証明した!!
――この三つの局相とはすべての局相である。
ただ、平野が選び取る風景には
もうあのメランリックな犬の姿がない。
カンパニーのクリスマスSEXもそののち
「東京流離」の悲哀を湛えてしまう。
真喜屋の沖縄も寂れたピンク映画館とハリセンボンが
風景のなかに溜息を立ち上らせるだけ。
この三つの淋しさの局相とはすべての淋しさの局相である。
だからいい!! すごくいい!!
あ、金子光徳によるDVDジャケットも大好き。
そこでは酔って路上にヘタった女が
散乱した花の姿をしていた。
そう、この『UNDER COVER JAPAN』は
世界がフラッシュされ写真集となったとき
どの頁も沈鬱な色に染まると知っている。
「僕」も「あなた」も実はすでにそのなかにいるんだ、と。
text by 阿部嘉昭 (映画評論家)
